本来はGW中にじっくり味わって楽しむつもりだったのですが、いざ買ってみると一気にプレイしてしまい昨日終わってしまいました。
プレイした感想ですが、いろいろな方がレビューに書いている通りなのでそれで終わりでもいいかなと思ったのですが、久々にゲームのシナリオに心を揺さぶられたということで自分の文章として書きたいことを書いていきたいと思います。
■追想編
本作のメインのひとつとなるアドベンチャーモード。ループもの(ネタバレ回避)ということもあり序盤は主人公たちの話がかなり難解だったが、後述する究明編の助けもあり理解はスムーズになった。
13人それぞれに行動する目的や理由があり、それが本人の目線で語られていくこと、またその人物を取り巻く複雑な人間の感情が世界のループ要素と絡み合い物語を深めていく。
夢中になって読み進めていくと途中でストーリーがロックされるのだが、崩壊編を進めていくことでアンロックされ続きを読むことができる。そして崩壊編の方で語られる内容が追想編と重なり、崩壊編と追想編の時系列の繋がりを知った時ものすごい感動が生まれた。
ストーリー中は「これはこういうことかな」というユーザーの推理をことごとくひっくり返すような事実がいくつも出てくる。単なるミスリードで意外性を呼び起こすのではなく、ユーザーを裏切った上でなお物語に整合性をもたせた衝撃的な展開が連続するため飽きることは全く無かった。
ループ、ロボット、タイムワープといった、いわゆる面倒くさいオタクがうるさく語りがちな複数のテーマをよくここまでまとめ上げることができたな、と感心した。後から調べたが、このゲームはかなりの難産だったらしい。そりゃそうだ。
■崩壊編
追想編と並ぶ本作のメインでありバトルモード。プロローグ編ではいきなり戦闘に投入され、初プレイでは冬坂五百里と同様「どう戦うのか?なぜ?」という疑問が生まれるがそれは追想編の進展と同時に明らかになっていく。
ゲーム部分はRTS要素のあるタワーディフェンス系ゲームであり、難易度は三段階あり私はNORMALでプレイしたがやや簡単かなと感じた。とはいえ、終盤ではなかなか苦戦させられる敵も出でくるし、取れる戦略も豊富であるためとても楽しめた。
崩壊編が進んでいくと追想編の内容と重なる部分が出てくるのだが、内容が繋がったときには最初からやり直したくなること請け合い。
別の視点で同じセリフが出てくると興奮しませんか?それがたくさん出てくるのがこのゲームです。最高。
■究明編
本作の魅力を最大限引き出すアーカイブモード。このモードが無ければ本作のストーリーを完全に理解することはかなり困難だったと思う。アーカイブモードを搭載する全てのゲームは本作の究明編を参考にしてほしい。
究明編のすごいところは、既読のストーリーを見返すことができるだけでなく、13人それぞれのストーリーを時系列順に並べて表示でき、更に全体・個人で表示を切り替えることができる上に時系列と世界線をツリーとして表示できる点。
各ストーリーのアーカイブにはサムネイル画像と簡単なあらすじが書いてあるため、再生せずとも「ここはこのシーンだな」と思い出すこともでき、余計なロード時間で没入感を削がれることが無いのが素晴らしい。ちなみに追想編・崩壊編への移行もシームレスに行うことができる。本作は物語への没入感を重視し余計な要素を極限まで削るような努力がされているため、一度プレイを開始するとあっという間に時間が過ぎるのだ。
また究明編にはストーリーのアーカイブだけでなく「ミステリーファイル」という要素もある。これは作中に出てくる用語の辞書のようなもので、追想編を進めたり崩壊編でミッションをクリアすることで獲得できるものなのだが、これも単なる辞書ではなく、ミステリーファイルの内容で初めて明らかになる事実もあり、追想編・崩壊編のプレイの合間にふと覗いてみると「え!?!?」となるようなことが何度もあった。
ちなみにこのミステリーファイルは追想編プレイ中にいつでも読むことができる。もちろんロード時間は無い。
■総評
ストーリーもキャラもゲーム性もとても魅力的なゲームでした。私は緒方くんと三浦くん、比治山くんが好きです。緒方くんはどこかでダウナー系ヤンキーと評されているのを見ましたが確かにそうですね。こういうキャラ好きです。
三浦くんと比治山くんに関しては、軍人が好物なので最初から気になってましたがめちゃくちゃカッコよかったですね。皆カッコいいけど。
後は各キャラでカップリングが出来ていたのも微笑ましかったです。シリアスなストーリーに恋愛を挟むと大抵冷めてしまうのですが、本作はシリアスな場面で空気を読まずにいちゃつくような展開は無く、「愛する人を守るために戦う」というような覚悟を持って真剣に現実(現実ではない)と向き合う人達ばかりなのでかなり良かったと思います。その覚悟を持つのが男性側だけでなかったのも最高でした。なのでキャラへの感情移入もしやすかったですし、そのおかげでエンディングも……。
ツイッターでとても好評だったので購入前からハードルが上がっていた感じはありましたが、実際にプレイするとそのハードルを見事に超えるクオリティとなっていて本当にプレイして良かったなと思いました。未プレイでこの記事を読んだ人がいたら是非プレイしてみてください。体験版もあるので。
以上です。
ありがとうございました。
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以下、購入時の参考にしたレビュー記事(ネタバレなし)
『十三機兵防衛圏』が狂気的に傑作すぎたので、思ったことをちょっと書く
https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/200111a
「十三機兵防衛圏ってどんなゲーム?」気になっている方への布教用レビュー
https://togetter.com/li/1452894
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以下、プレイ中に書き起こしたメモ(全文ネタバレ)
https://www.akanechan.world/2020/05/blog-post.html